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問題社員対応&社員教育助成金セミナーQ&A(2013.06.24)

問題社員対応&社員教育助成金セミナーQ&A(2013.06.24)

問題社員&社員教育助成金セミナーQ&Aで、時間の都合上お答え出来なかったものをweb上で回答します。


Q.正社員に対し、雇用契約書は絶対に必要でしょうか?遡及して請求する必要性はありますか?

A.雇用契約書は絶対に必要ではありません。遡及して作成する必要はありません。雇用契約は口頭で成立します。
ただし、労働条件通知書の作成は、労働基準法で義務付けられています。(労基法第15条)絶対的明示事項として、以下の事項が定められています。
(1) 労働契約の期間
(2) 就業の場所、従事すべき業務
(3) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間・休日・休暇、労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合における就業時転換に関する事項
(4) 賃金(退職金、賞与等を除く)の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切・支払の時期、昇給に関する事項
(5) 退職に関する事項
 作成されていないのであれば、現時点の段階のものを作成して、文書で交付することをおすすめします。労働基準監督署の調査においては指摘されます。


Q.問題社員がいて困っています。勤続30年あまりいろいろな部署で配置転換もしてきましたが、まず、言われたこともできないし社員に声をかけ仕事の邪魔をする(今では社員から敬遠されています)、それでも自分はきちんとやっていると思い込み、何度注意しても文句ばかりで手をやいています。今は、労基署の指導で反省文や始末書を取り集めているところです。

A.問題社員の対応で重要なことは、注意・指導を繰り返すことです。また、その証拠化が重要です。証拠化は、書面をもって行うことが重要です。現在行われている通り、始末書を交付することは有効な手段です。
 忍耐が必要なことですが、あきらめずに愚直に指導を行ってください。それでもなお改善する見込みがないのであれば、雇用契約の解消をおすすめして、本人が文句を言わなくても済む世界に出発されることをおすすめされるのも一つの方法です。会社からの一方的な雇用契約の解消(解雇)ではなく、雇用契約の解消のおすすめ(退職勧奨、合意退職)の手段も、本人、会社にとって幸せな選択の場合もあるでしょう。


Q.体調不良を理由に、責任者としての仕事ができないので責任者を外してほしいとベテラン社員が社長に仕事の軽減を言ってきた。社長は体調が戻るまで休暇を勧めたが、本人は休みをとりたくないと出勤している。周りの社員がやる気を無くさないか心配です。懲戒処分とまでは言いませんが、何か良い方法は?

A.水を飲みたくないというお馬さんを湖まで引っ張っていって、無理やり顔を湖につけても、お馬さんは水を飲むことはないでしょう。後ろ足で蹴られるでしょう。嫌がる人を無理に何かをさせることはそれほど難しいことです。
責任者を外してほしいというのであれば、責任者から外すべきでしょう。その際、責任者の手当を外すなど、給料は当然に低くするべきでしょう。それが公平です。
「社長が体調が戻るまで休暇を勧めた」とのことですが、おそらくこれは休職をおすすめしたということでしょう。是非、理解していただきたいのは、休職は、「会社の命令で行うことができる」ということです。雇用契約は、契約当初に心も体も健康で万全な状態で労働力を提供するという契約を行っているのです。心または体、あるいは両方が万全な状態では、雇用契約当初に約束した労働者の義務を履行することができないということです。極端なことを言えば、約束違反で契約の解消も視野に入れることも可能なものです。しかし、それも酷ですので、休職を勧めておられるわけです。
 是非、ここは、法律の知識を知っていただきたいのですが、「法的に、休職は命令でおこなうものである」ということです。今度は休職を命令されていはいかがでしょうか。


Q.従業員兼務取締役はどちらに重点をおいたらいいでしょうか。
 
A.法的には、実態で判断することになります。現実から言うと、沖縄の中小企業の実態としては、従業員の性質が非常に色濃い場合が大きいと考えてください。百歩譲っても半々だと考えてください。会社法上の取締役の重要な役割は、取締役会を含むいろいろな場面での意思決定です。イメージとしては、日頃、現場で忙しく走り回っているのであれば、従業員の役割が大きいと考えたほうがよいでしょう。


Q.<キャリアアップ助成金>正社員雇用等転換助成で今日派遣社員(正規予定)を雇いました。3ヶ月後には正社員と考えていますが短期間の派遣期間でも助成の対象となりますか。

A.転換の助成金は、6カ月以上経過していることが要件です。3カ月では要件を満たしません。


Q.精神障害を発症した社員の対応がよく分からない。3ヶ月の休養を与え、出社こそ出来るがその中身については他の正社員の勤務態度に比べると著しく落ちる。ある程度の期間(半年以上)を経過し、改善がみられないその社員に対する解雇は有効なのか。

A.非常に難しい問題です。ご質問への端的な回答としては、解雇でない方が無難と考えられます。ただし、前述したとおり、雇用契約では、心も体も健康な状態を約束した契約です。それが果たせないのは、法的に言うと、債務不履行と考えられなくもありません。本人の合意を得たうえで、雇用契約を結びなおすことも検討すべきです。勤務時間や賃金についても再検討する余地があります。また、休職をしっかりととって、本来の状態に戻すことを本人と約束することも一つの方法です。その約束が守れない場合には、退職することを改めて約束するものです。会社の就業規則の休職の規定をもう一度しっかりとみてください。休職期間が最長でどれくらいまでとれるか書いてあるはずです。また、休職期間が満了しても万全な状態に戻れないのであれば、自然退職することを記載している就業規則もあります。もし、そうした規定になっていないのであれば、改めて休職規定を見直す必要もありそうです。


Q.再雇用の社員への接し方。上司だった人を部下として接しないといけないが良い方法はないか?

A.近年、多くなってきた相談内容です。最も重要なことは、お互いがお互いを尊敬しあうことです。上司だから偉い、部下だから偉くないということは全くありません。上司は、管理職と言う役割を果たしているだけです。社長も社長という役割を果たしているだけです。偉いのではなくて、その役割として社長をやっているだけです。再雇用となり、嘱託となったらから、元上司の人の価値がなくなったわけではありません。しっかりと、元上司の方に敬意を払ってください。そして、毅然として、指揮命令、つまり、指示してください。これは、指揮命令するという役割が元上司の方から、現在の上司のあなたの役割に代わっただけ。ただそれだけのことです。もちろん、大変だと思いますが、是非、役割であるということを心に留めて接してください。


Q.上司の方針と意見が合わない場合は、やはり従業員が辞めるべきでしょうか?利益を求めない上司には何が残りますか?人格?名誉?

A.会社の理念にあわない人が辞めるべきです。会社の理念は何なのかを突き詰めて考えてみましょう。上司があっていないなら上司が辞めるべきですし、部下があっていないならば、部下が辞めるべきでしょう。両方あっているのなら、両方残るべきですし、両方あっていないのなら、両方辞めるべきでしょう。
 もし、自分が経営理念に会っていて、上司があっていないのであれば、正々堂々と主張すべきです。しっかりと上司を話し合いをするべきでしょう。その際、話し合いの時には、相手の話を聴くという姿勢を忘れないでください。しっかりと、相手の話を聴いて、相手の話を要約して、相手にも共感を示したうえで、判断してみてください。
 上司で埒があかないのなら、一番うえ、社長にぶつけてみてください。辞める覚悟があるならそれも重要でしょう。しかし、ワガママではいけません。あくまでも謙虚に、会社の理念に自分は本当に適合しているか考えてください。
ご質問の内容では、利益を求めない上司のようですね。一般的には、企業は利益を追求する組織ですので、利益を求めない上司は会社の理念に適合していない可能性は十分ありますよね。
王道でぶつかってみてください。王道が通用しないような会社であれば、辞めることも一つの方法でしょう。日本には400万社の法人があります。沖縄県にも2万社の法人があります。


Q.弱小企業で有給休暇等々を効率よく取り入れる方法はないでしょうか?

A.年次有給休暇の計画的付与という制度があります。労働基準法では、年次有給休暇の取得を促進するために、社員が持っている年次有給休暇を、取得日を特定して計画的に(強制的に)消化させる制度が定められています。「年次有給休暇の計画的付与」として消化させることができるのは、社員が持っている年次有給休暇の内、「5日を超える日数分」です。5日分は個人が自由に取得できるよう残しておくこととされています。例えば、年次有給休暇が20日ある社員については、5日を残した15日分を計画的付与の対象にすることができます。
例えば、アニバーサリー(メモリアル)休暇制度を設けるのも一つの方法です。大手スーパーA社では、年次有給休暇の計画的付与制度(6日)を活用して「アニバーサリー休暇」と「多目的休暇」を設けています。従業員一人ひとりの年次有給休暇のうちの6日間について、次のような形で年度始めに計画を立てるように奨励しています。

○ アニバ-サリ-休暇  3日  誕生日、結婚記念日等を含む連続3日間
○ 多目的休暇       3日  自由に設定する

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Q.事務員が大企業並みに労働法を盾にとり、協調性に欠けるので、クビにしたい。対処法はないか?

A.労働法を遵守することは大企業も中小企業もかわりありません。中小企業だから労働法を甘くしてもらえることはありません。もし、ご質問者が経営者ならば、この考え方をあらためることをおすすめします。経営者は、労働法を遵守する義務を負っているのです。
 一方、協調性に欠ける事務員であれば、それについては、しっかりと、事実に基づいて懲戒処分を行ってください。譴責処分、つまり、始末書等で協調性を欠けている部分に関して、注意指導を行ってください。また、しっかりと面談をして、協調性が重要なことを説いて、チームワークが必要な理由を説明してください。こうした具体的な愚直な注意指導をしないままクビにした場合、解雇は無効、不当解雇として訴えられれば、90%以上の確率で負けるでしょう。
 一方、協調性が非常に重要な職場で解雇が有効になった判例もあります。協調性欠如で解雇が無効となるばかりではない例です。相模野病院事件では、労働者が「その欠点を改めることを拒否し、独善的、他罰的で非協力的な態度に終始したために、他の職員との円滑な人間関係を回復し難いまでに損ない、病院の看護職員として不可欠とされるところの共同作業を不可能にしてしまった」ことを理由に解雇を有効としました。
 いずれにしても、一発解雇は非常に危険すぎます。愚直に指導していくことが一番の対処法です。


Q.助成金の情報を常に入手し、アップデートできる社労士事務所を紹介して下さい。

A.堀下社会保険労務士事務所だと思います。


Q.始末書のフォーマットがあり、フォーマットの最終文に「今後は会社の規定に全て準じます」とあります。例えば、1回遅刻をして2回目は会社の規定に従いクビとされた場合は有効なのか?

A.無効です。懲戒権の濫用、解雇権の濫用です。就業規則でも、その他も規定でも、規定したからその通りになるとは限りません。労働契約法、労働基準法をはじめとした労働法は強行法ですので、当事者間で仮に合意があったとしても、法に照らして、正当な解雇でなければそれは無効となります。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効(解雇権濫用の法理、労働契約法16条)となります


Q.急に出勤しなくなった社員で連絡もとれなくなった際、退職届はどのようにした方がよいか?

A.就業規則に、「●●日(30日~60日程度)無断欠勤した場合には、退職とみなす」という規定があれば、それにしたがって自然退職とするのがよいでしょう。この場合、退職届は実質とることができないなら、仕方ないですので、とらなくても結構です。
 あるいは、本人の会社届出住所に「退職届を提出してください」という旨の文書を郵送するのも良い方法です。


Q.飲酒運転について、会社の車両で飲酒した場合、仕事中(出勤後等)に検挙された場合、どういった処分ができますか。

A.懲戒解雇でよいでしょう。詳細が分かりませんが、仕事中に飲酒、車両で飲酒ということが検挙ということで証拠化できるのであれば、懲戒解雇は非常に高い確率、90%以上の確率で有効でしょう。情状酌量で諭旨解雇でしょうか。


Q.退職届がないと不利になる事があるとおっしゃっていましたが、急に連絡が取れなくなって、やむなく退職の手続きを進めた場合も同じように不利になりますか?


A.前述したとおりです。急に連絡が取れなくなった場合は、30日~60日程度間をあけて、退職の手続きを勧めることをおすすめします。


Q.パートを採用して増員しても残業が減らない。事務員の意識の問題?

A.管理者の問題です。管理者が「命令」してください。事務員が管理者ならば、事務員の責任です。事務員が責任者でないなら、管理者の責任です。管理者がいないのなら、社長の責任です。残業は「命令」して行わせるものです。残業が減少すると論理的に考えられるのであれば、「残業禁止」の「命令」をしてください。命令違反は懲戒処分してください。
 「意識」はそう簡単に変わりません。「行動」を変えてください。


Q.問題社員の対応が難しい(被害社員、加害社員)ので、大変参考になりましたが、経営者家族が問題社員の場合は?

A.雇用契約の問題と家族の問題と分けて考えてください。オーナー企業で問題社員がオーナー一族の場合は、法律だけではどうしても越えられない壁があります。申し訳ありませんが、社会保険労務士 堀下 和紀はこうした問題の場合、オーナー社長に、「すみません、家族の問題は、家族で解決してください。私にはどうすることもできません」と回答しています。
 残念ながら、このご質問に関してはご期待に応える回答を行うことができません。ただし、この問題は非常に多く相談を受けます。その際、オーナー社長には、「社長、あなたしか、この問題は解決できません。家族間の問題を解決できなければ、その他全ての件に関しても影響が出てきます。よろしく、ご解決ください」と申し添えます。そうすると、社長は全力を尽くして問題を解決に努力してくれます。もちろん、社会保険労務士 堀下 和紀も、具体的な家族間問題の解決事例もたくさん取り扱っていますので、好事例、失敗事例も含めて、具体的にアドバイスをオーナー社長に対してしています。