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労働法務

2020.12.22

準備体操・朝礼は労働時間にあたるか?

tag:
労働時間 / 朝礼時間
始業時間前に行っている準備体操・朝礼は労働時間でしょうか?

はい。準備体操や朝礼時間は労働時間です。

残業代の支払いが必要となる「労働時間」について、三菱重工業長崎造船所事件(最一小判平1239)は、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」と客観的に定義して、「労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」と判断しています。

この裁判例では、業務の準備行為について、「労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当する」と判断しています。多くの裁判例が、①義務付け(強制)の程度、②業務性の有無(業務との関連性)、③時間的・場所的拘束性の有無を総合考慮して、「労働時間」に該当するか否かを判断しています。

準備体操や朝礼などの準備行為について、遅れて事業場に到着した場合に遅刻として賃金を控除している場合や厳しく叱責した場合は、①義務付け(強制)の程度は強く、「労働時間」と評価される可能性が高いです。

また、朝礼でその日の具体的な作業場所、作業方法等などの業務連絡が行われている場合、②業務との関連性が強く、「労働時間」と評価される可能性が高いです。

以上の観点から、本件の準備体操・朝礼も残業代を支払うべき「労働時間」に該当するでしょう。

 

まずは、始業時刻以降から準備体操・朝礼を行う運用が可能であるか検討してみてください。始業時刻前に準備体操・朝礼を行わざるを得ない場合は、その分の残業代を支払いましょう。

準備体操・朝礼は労働時間にあたるかについては、沖縄の社会保険労務士法人 堀下&パートナーズにご相談ください。

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