労働法務
2021.05.25
健康診断の時間は、労働時間か?
- 一般健康診断の時間分の賃金って支払わなくてはなりませんか?
いいえ。法律上、労働時間ではないので、原則として支払う必要はありません。
法律上、一般健康診断に要する時間は労働時間ではありません。労働時間の定義は、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」(三菱重工業長崎造船所事件-最判平12・3・9)です。会社は社員に対して一般健康診断を受けさせる必要がありますが(安衛法66条1項)、これは一般的な健康の確保を図ることを目的として事業者にその実施義務を課したに過ぎず、業務執行との関連において行われるものではないので、一般健康診断に要した時間は「労働時間」ではありません。
しかし、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、一般健康診断に要した時間も賃金を支払うことが望ましいといえます(昭47・9・18基発602号)。
他方、有害業務の特殊健康診断(安衛法66条2項)は事業の遂行にからんで当然実施されなければならない性格のものですから「労働時間」に該当します(昭47・9・18基発602号)。
健康診断の時間が労働時間に含まれるのかについては、沖縄の社会保険労務士法人 堀下&パートナーズにご相談ください。