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労働法務

2023.01.04

社員間の金銭貸し借りを禁止することはできるか?

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金銭 / 貸し借り
当社は、就業規則で社員間の金銭の貸し借りを金額の多寡にかかわらず一切禁止しています。ところが社員から「社員間の金銭の貸し借りは、個人間の問題であり、会社は関与できないはずだ」と苦情がきました。 社員間の金銭貸し借りを禁止することはできないのでしょうか?

社員間の金銭貸し借りを就業規則で、禁止することができます。

 本来、社員間の金銭の貸し借りは個人間の問題ですので、会社は関与すべき問題ではないとも考えられます。しかし、社員間の金銭の貸し借りは企業秩序が乱される場合が発生することも考えられます。返済が滞ったことによる殴り合いのけんかの発生、上司が部下から借金したことによる人事考課の不正などです。このような企業秩序が乱されることが予想される場合には、企業はこれを予防する規則を定めることができます。 

 富士重工業事件(最三小判昭52・12・13)では、「企業は、この企業秩序を維持確保するため、これに必要な諸事項を規則をもつて一般的に定め、あるいは具体的に労働者に指示、命令することができると判示しています。 

 昼食代が足りない場合、お茶代が足りない場合も含めて一切の社員間の金銭の貸し借りを禁止することは厳しすぎるとの考えもあるでしょう。しかし、例えば「1,000円までの社員間の金銭の貸し借りは認める」とした場合、1人の社員が複数の社員に1,000円づつを借金し、全てを返済しないとすれば、社内秩序は乱されたと考えられるでしょう。したがって、社員間の金銭の貸し借りを金額の多寡にかかわらず一切禁止することには合理的な理由があると考えられます。 

 

 社員間の金銭貸し借りを禁止することはできるか対応に困った場合は、沖縄の社会保険労務士法人堀下&パートナーズにお問い合わせください。

「恋愛原因で社員同士、けんかが発生。ケガした社員に会社は責任を負うのか?」については、こちらをご覧ください。

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