労務管理
2024.04.08
企業秩序と服務規律
●企業秩序遵守義務、服務規律とは何か
企業秩序遵守義務
企業秩序とは、企業の存立と事業の円滑な運営の維持のために必要不可欠なものです。使用者は企業秩序を維持する権利を有し、労働者は労働契約の締結により企業秩序の遵守義務を負います。
企業秩序遵守義務に関する裁判例
労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによって、企業に対し、労働提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守その他の義務を負う(富士重工業事件 最判昭52.12.13)
企業秩序の定立と維持
企業は、「企業秩序を維持確保するため、これに必要な諸事項を規則をもって一般的に定め、あるいは具体的に労働者に指示、命令することができ、また、企業秩序に違反する行為があった場合には、その内容、態様、程度等を明らかにして、乱された企業秩序の回復に必要な業務助の指示、命令を発し、又は違反者に対して制裁として懲戒処分を行うため、事実関係の調査をすることができ」(富士重工業事件 最判昭52.12.13)ます。
規則や命令は、企業の円滑な運営上必要かつ合理的なものでなくてはいけません。私生活上の行為は実質的に企業秩序に関連性のある場合にのみ規制の対象とされます。人格・自由に対する行き過ぎた支配や拘束は許されません。
服務規律の規定
労働契約の本質として、企業秩序を維持するために企業は服務規律と称される労働者の行為規範を就業規則に定めることになります。規範とは、「~すべき」などと表現される行動や判断の基準です。
服務規律は、①労働義務の履行に関する就業規則上の行為規範(狭義の服務規律)、②会社財産保全のための規律、③従業員の地位に伴う規律の3つに分類されます。次頁で3の分類例を示します。
企業秩序遵守義務・服務規律については、沖縄の社会保険労務士法人堀下&パートナーズへお問い合わせください。
「36協定」については、こちらをご覧ください。