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労働法務

2021.05.10

ダラダラ残業に残業代を支払わなくてはならないのか?

tag:
労働時間 / 残業 / 残業代
所定労働時間を過ぎても、勝手に残業をしていて、ダラダラと居残る社員がいます。ダラダラ残っている社員にも残業代を支払わなくてはいけないのですか?

はい。残業代を支払わなくてはなりません。

労働時間の定義は、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」(三菱重工業長崎造船所事件-最判平1239)です。さらに、「労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」としています。そして、この「使用者の指揮命令」は明示の指示のみならず黙示の指示も含まれています。

したがって、たとえ残業許可申請書の提出のないダラダラ残業も、会社がこれを知った上で放置(黙認)していれば、少なくとも「黙示の指示」によって会社の指揮命令下にあったと評価され、残業代の支払いが必要となる「労働時間」になります。

過去の裁判例(ゴムノイナキ事件-大阪高判平17121)も、会社が「休日出勤・残業許可願を提出せずに残業している従業員が存在することを把握しながら、これを放置していたことがうかがわれることなどからすると、具体的な終業時刻や従事した勤務の内容が明らかではないことをもって、時間外労働の立証が全くされていないとして扱うのは相当ではない」とした上で、労働者の主張する概括的な時間外労働時間を推認しました。

今回のご相談の件も、「ダラダラと居残る社員がいます」と残業を認識しながら放置していることが伺われますので、たとえダラダラ残業でも残業代の支払いを免れません。

 

そもそも、勝手に残業させることが間違った考え方なのです。労働者の自主性という甘美な言葉が日本の低い労働生産性の元凶です。自己申告制をとる場合であっても、自己申告制をとらない場合であっても、残業は許可をとって行わせることを目指すべきです。そのうえで、無許可の残業を撲滅させてください。

ノー残業デー、文書による残業禁止命令、所定労働時間になったら帰社を促すアナウンスや音楽を流す、消灯、施錠といった施策はいろいろ考えられます。なんらかのアクションを起こすことが必要です。

これは、必ず、労働生産性の向上に寄与します。万が一、残業を抑制して仕事が終わらないのであれば、人員を新規に採用してください。そもそもの要員計画が間違っているのです。

また、無許可残業が行われている場合は、何をしているか調査してください。管理者が監視する、監視カメラを設置する、業務日報を記載させる、サーバー等によりパソコンの使用状況を確認する、他の従業員の証言を聞くといった把握方法が考えられます。

職場に残って、業務とは関係のない私的なことをしている場合は、帰宅を促すよう指導をしてください。

 ダラダラ残業に残業代を支払わなくてはならないのかについては、沖縄の堀下社会保険労務士事務所にご相談ください。

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