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労働法務

2023.10.03

SNSで情報漏洩した社員を懲戒処分してよいか?

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ソーシャルメディア / 懲戒処分 / 情報漏洩 / SNS
当社はホテルを運営しています。社員が「芸能人の○○と女優の○○がうちのホテルに泊まりました」とソーシャルメディア(SNS)に書込みしていることが分かりました。懲戒処分を検討しています。いいですよね?

SNSで情報漏洩した社員を懲戒処分することは有効とされる可能性が高いです。

社員は、労働契約上の義務として、業務上知り得た秘密を開示しない義務を負っています。したがって、本件の場合のように本人に情報漏洩の自覚の有無に関わらずソーシャルメディア(SNS)による情報漏洩は懲戒処分を検討してください。 

ソーシャルメディア(SNSが発達し、今までに想定していなかったような問題が発生しています。1つの特徴は、本人には情報漏洩の自覚がないまま、日常の状況をつぶやいた結果、それが情報漏洩に該当する場合があることです。 

日本経済新聞社(記者HP)事件(東京地判平14924)は、新聞記者が不特定多数の者が内部を知る可能性のある自己のホームページ上に自らが新聞記者であることを明らかにしたうえで、新聞社が公にしてはならないとしている機密を公開したことが、就業規則の「会社の機密を漏らさないこと」に違反する等を理由とする14日間の出勤停止処分について有効としました。 

武富士事件(東京地判平61129)では、競合会社に対して、顧客情報流出についての社内調査の内容を伝えた社員への懲戒解雇の有効性が争われましたが、「懲戒解雇に値するほどの重大悪質な非行ではない」として懲戒解雇を無効としています。 

 

どうすればいいのか? 

ソーシャルメディア(SNS)による情報の漏えいは、一般の社員が考えているよりも重大な職務規律違反になると考えられます。ソーシャルメディア(SNS)により発信された情報はインターネットを通じて、短時間で不特定多数に拡散し、削除不能に陥ることがあります。限られた友達だけに情報を公開しているつもりでも、その友達が世界中の人に情報を公開する可能性も十分あります。本件のようにホテルの社員が職務上知り得た芸能人の恋愛事情等がソーシャルメディア(SNS)やインターネットを通じて周知となった場合には芸能人は大きな損失を被ります。むろん、業務上知り得た秘密を漏洩した会社の責任も問われることになるでしょう。 

ソーシャルメディア(SNS)による情報漏洩はどのような問題を引き起こすかを日頃から社員に教育しておくことが重要です。また、情報漏洩がおきた場合には厳罰に処することを事前に周知しておくことが重要です。 

 

情報漏洩での処分を検討したい場合は、沖縄の社会保険労務士法人堀下&パートナーズにお問い合わせください。

「マイナンバーを不正に名簿業者に売り渡した場合、懲戒解雇できるのか?」については、こちらをご覧ください。

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