手続き
2021.01.22
賞与は支払うだけじゃない?!
給与以外に支給されるボーナス(賞与)は従業員にとって、とても楽しみなイベントです。
ここでは、支給するだけでは終わりではない、ボーナス(賞与)支給後に労務担当が行うべき手続き「賞与支払届」ついてご紹介します。
賞与支払届とは?
事業主が被保険者及び70歳以上被用者へ賞与を支給した場合、支給日より5日以内に
「被保険者賞与支払届」により支給額等を、管轄の年金事務所届出しなければなりません。
この届出内容により標準賞与額が決定され、賞与の保険料額が決定されるとともに、被保険者が 受給する年金額の計算の基礎となるものになります。
会社の人事・総務部の方は、賞与支払届の届出を忘れたり、記入ミスがあると被保険者にも迷惑がかかるので適切な届出が必要です。
手続きの流れ
①書類の準備
日本年金機構に登録されている賞与支払予定月の前月に、被保険者の氏名、生年月日等を印字した届出用紙(賞与支払届等)が事業所へ送付されます。 届いた書類の印字内容を確認し、氏名等の記載が無い従業員がいる場合は、印字のない空白部分へ追記する必要があります。
②標準賞与額(保険料)の算出
標準賞与額は、実際に支払う賞与額から、1,000円未満を切り捨てた額を指します。
この標準賞与額に健康保険(厚生年金保険)の保険料率を掛けた金額が保険料となります。
保険料は、事業主と被保険者が折半で負担します。
この時、標準賞与額には、上限が設けられているので注意が必要です。
標準賞与額の上限は、健康保険では年度の累計額573万円(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)、厚生年金保険は1か月あたり150万円(同月内に2回以上支給されるときは合算した額で上限額が適用)となっています。
③賞与支払届の作成
賞与支払届に、従業員ごとの標準賞与額などを記入します。
支払合計人数、支払総額などを記入する被保険者賞与支払届総括表も併せて作成をしましょう。
④賞与支払届の提出
すべての書類への記入が完了しましたら、事業所所在地を管轄する年金事務所、または、事務センターへ賞与支払日から5日以内に提出します。
⑤保険料の決定/納付
書類提出後、内容の確認が完了しましたら、「保険料決定通知書」が事業所所在地を管轄する年金事務所、または事務センターから送付されます。
決定された保険料については、毎月の保険料と合算されて賞与支払月の翌月末までに納入が必要ですので、忘れないように注意が必要です。
賞与支払届は、将来の年金額へ大きく影響します。
賞与の支給がある場合は、必ず支払日から5日以内に提出できるように、スケジュール を組んで、忘れずに対応するようにしましょう。
賞与支払届については、沖縄の社会保険労務士法人 堀下&パートナーズにご相談ください。